TEARS【~君色涙~】
しばらくして、私はようやく隼人の前へと姿を現す。
トイレへと行ったきり戻ってこない私には気がついても、さっきのやり取りを見られていた事までは気づいていない様子。
「ずいぶん遅かったな。優衣も腹痛?」
「……ううん」
隼人の言葉に私は怒る気力も沸いてこず、ただ首を横に振る。
“誰とも付き合う気ない”
「……」
私、なんてバカなんだろう。
今日がデートみたい、なんて浮かれて。
そんな事を思う間にも、隼人はずっと先を見据えていたのに。
「じゃあ、帰るか」
「うん……」
自分から別れを告げておいて
それでももしかしたら……
もしかすれば多分きっと
ーー隼人はまだ私を好きでいてくれてるんじゃないか…なんて。
一体何を根拠にそんな都合の良い考え、思い浮かべていたの?
トイレへと行ったきり戻ってこない私には気がついても、さっきのやり取りを見られていた事までは気づいていない様子。
「ずいぶん遅かったな。優衣も腹痛?」
「……ううん」
隼人の言葉に私は怒る気力も沸いてこず、ただ首を横に振る。
“誰とも付き合う気ない”
「……」
私、なんてバカなんだろう。
今日がデートみたい、なんて浮かれて。
そんな事を思う間にも、隼人はずっと先を見据えていたのに。
「じゃあ、帰るか」
「うん……」
自分から別れを告げておいて
それでももしかしたら……
もしかすれば多分きっと
ーー隼人はまだ私を好きでいてくれてるんじゃないか…なんて。
一体何を根拠にそんな都合の良い考え、思い浮かべていたの?