TEARS【~君色涙~】
傘を高くして持つ隼人の隣を歩きながら、私はポツリとこんな事を尋ねる。
「…隼人は、何で西高行きたいって思ったの?」
「……」
その問いに、隼人がしれっとした表情でこう答える。
「モテたいから」
「えっ!?」
と、思わず大きな声が出た瞬間、隼人はくしゃっとした顔で笑った。
「うっそ。んなわけねーじゃん」
「……」
「俺んち、親が共働きでさ」
あっ、そういえば…
前、隼人の住むマンションにお邪魔した時お姉さんには会ったけど、ご両親には会えずじまいだったっけ。
そんな事を今になって思い出すも、隼人は淡々と話を続けていく。
「おかげで毎日自由に暮らしてるけど、いつまでも甘えてらんねーしさ。
子供の俺が出来ることといえば良い高校行って、良い大学入って。
そんでゆくゆくはどっか大きな会社にでも就職できれば、少しは親を安心させられっかなって」
「……」
「最初は正直、親の助けになればって理由もあったけど、今日実際見に行ってそんな理由関係なく自分はここに通いたいって思った。
だから俺、やっぱり西高を受験する」
……遠い。
「…隼人は、何で西高行きたいって思ったの?」
「……」
その問いに、隼人がしれっとした表情でこう答える。
「モテたいから」
「えっ!?」
と、思わず大きな声が出た瞬間、隼人はくしゃっとした顔で笑った。
「うっそ。んなわけねーじゃん」
「……」
「俺んち、親が共働きでさ」
あっ、そういえば…
前、隼人の住むマンションにお邪魔した時お姉さんには会ったけど、ご両親には会えずじまいだったっけ。
そんな事を今になって思い出すも、隼人は淡々と話を続けていく。
「おかげで毎日自由に暮らしてるけど、いつまでも甘えてらんねーしさ。
子供の俺が出来ることといえば良い高校行って、良い大学入って。
そんでゆくゆくはどっか大きな会社にでも就職できれば、少しは親を安心させられっかなって」
「……」
「最初は正直、親の助けになればって理由もあったけど、今日実際見に行ってそんな理由関係なく自分はここに通いたいって思った。
だから俺、やっぱり西高を受験する」
……遠い。