TEARS【~君色涙~】
「……」
「あ、写真撮っていい?弟の彼女とお茶してるって載せようかな(笑)」
自身のSNSにでも上げるのだろうか、二つ並んだドリンクをスマホのカメラで撮影しようとするマヤさん。
そんなマヤさんを前にして、耐えきれなくなった私はこう話を切りだした。
「あの、こんな時にすごく申しあげ(?)にくいんですが、実は私…隼人と別れてるんです」
「……」
「突然すみません。でもマヤさんにウソつきたくなくて……」
今よりずいぶん前に隼人と別れてしまったこと、お姉さんであるマヤさんには正直に打ち明けるべきなのかどうか、迷ったけど…
助けてもらった手前、こんな風に無邪気でいるマヤさんを前にしたら、やっぱり黙っておくなんて出来なかった。
隼人よりも前に初恋の先輩がいたこと。
その人のことを忘れられず別れてしまったこと。
包み隠さず全部、ありのままを打ち明けてみせた私に、しばらくしてマヤさんが飲んでいたアイスコーヒーをテーブルの上に置いた。
「…そっか。どおりで苦手だった勉強、ここ最近はずっと頑張ってるみたいだから。何かあったのかなとは思っていたけど」
「……」
「ほら、うちの弟ってああ見えて女心が分からない所あるでしょ?
そういうのも積み重なって知らず知らずのうちに優衣ちゃんを傷つけてしまった事もあったんじゃないのかな。だとしたら本当にごめんね」
「い、いえ!そういうわけでは全然なく…」
「そっか。それならいいんだ…。でも私にとっては可愛い弟というか…まぁただの姉バカなんだけど(笑)
できれば隼人の事、嫌いにならないでやって欲しいな」
そう言い、マヤさんは少し困ったように自身の髪に触れながら苦笑してみせた。
…隼人と血の繋がったお姉さんということもあってか、外見はもちろん
何気ないしぐさや笑い方も、どことなく隼人と似てるなって思う瞬間がいくつもあって。
まるで隼人がすぐ目の前にいるような気持ちになり、居たたまれなくなった私はまぶたを伏せる。
「……」
“できるなら隼人の事、嫌いにならないでやって欲しいな”
…嫌いもなにも
「あ、写真撮っていい?弟の彼女とお茶してるって載せようかな(笑)」
自身のSNSにでも上げるのだろうか、二つ並んだドリンクをスマホのカメラで撮影しようとするマヤさん。
そんなマヤさんを前にして、耐えきれなくなった私はこう話を切りだした。
「あの、こんな時にすごく申しあげ(?)にくいんですが、実は私…隼人と別れてるんです」
「……」
「突然すみません。でもマヤさんにウソつきたくなくて……」
今よりずいぶん前に隼人と別れてしまったこと、お姉さんであるマヤさんには正直に打ち明けるべきなのかどうか、迷ったけど…
助けてもらった手前、こんな風に無邪気でいるマヤさんを前にしたら、やっぱり黙っておくなんて出来なかった。
隼人よりも前に初恋の先輩がいたこと。
その人のことを忘れられず別れてしまったこと。
包み隠さず全部、ありのままを打ち明けてみせた私に、しばらくしてマヤさんが飲んでいたアイスコーヒーをテーブルの上に置いた。
「…そっか。どおりで苦手だった勉強、ここ最近はずっと頑張ってるみたいだから。何かあったのかなとは思っていたけど」
「……」
「ほら、うちの弟ってああ見えて女心が分からない所あるでしょ?
そういうのも積み重なって知らず知らずのうちに優衣ちゃんを傷つけてしまった事もあったんじゃないのかな。だとしたら本当にごめんね」
「い、いえ!そういうわけでは全然なく…」
「そっか。それならいいんだ…。でも私にとっては可愛い弟というか…まぁただの姉バカなんだけど(笑)
できれば隼人の事、嫌いにならないでやって欲しいな」
そう言い、マヤさんは少し困ったように自身の髪に触れながら苦笑してみせた。
…隼人と血の繋がったお姉さんということもあってか、外見はもちろん
何気ないしぐさや笑い方も、どことなく隼人と似てるなって思う瞬間がいくつもあって。
まるで隼人がすぐ目の前にいるような気持ちになり、居たたまれなくなった私はまぶたを伏せる。
「……」
“できるなら隼人の事、嫌いにならないでやって欲しいな”
…嫌いもなにも