TEARS【~君色涙~】
“誰とも付き合う気ない”
今でもまだ好きでいるのは、私の方で……
「ん? あっ、てことは優衣ちゃんも今受験生なんだよね?行きたい高校とかはもう決まってるの?」
この前聞いた隼人の言葉を思い出して、ついまた落ち込んでいたら、参考書に目を向けた様子のマヤさんが何気なく尋ねてきた。
その問いに、私はさらに顔をうつむかせる。
「それがまだ、決められずにいて…。もう7月なのにそろそろ決めないとまずいですよね」
「……」
「あの、出来ればでいいんですけど…マヤさんはどこの高校に?今、大学生なんですよね?」
年上で、しかも私と同性であるマヤさん。
今こうしてちゃんとお話し出来て、人となりが分かっただけに
親切で明るく気さくなマヤさんが、一体どんな高校を選び、そしてどんな高校生活を送ってきたのか、純粋に知ってみたくなった。
もしかしたら高校選びの参考にもなるかもしれない…。
そんな理由もあってか、つい真剣な顔をして出身校を尋ねてきた私に、マヤさんは少し照れたように笑って見せた。
「あはは。気になる?私はね、東高出身なの」