TEARS【~君色涙~】

初恋の終わりと夏祭り

梅雨が明けると、今度は焼けるような暑さの日々がやってきた。

期末テストも終わり、今日は終業式。


――明日から夏休み。


かといって受験生である私達に、夏休みなど在って無いようなもので

ユカリが渡された通知表を前にひたすら顔をしかめる。


「あのー、何回探しても5が見当たらないんですけど」

「当たり前でしょ。テスト前日に花火しようとか言い出してた人が何言ってんの?」


グサッ


うっ……


ごめんなさい。

実は私も花火したいとか思ってました。


わざとらしく口笛を吹くユカリの横で私も目を泳がせる。


そんなみーちゃんの通知表は、言わずもがな5の数字がいっぱい……。


「でもさ、3ばっかだけど2はなくなったし。これでも成績上がった方なんだよ!優衣だって、こないだの期末テストの結果良かったんだもんね?」

「……あ、うん」


ユカリに同意を求められ、私はやむを得なしに頷く。


……確かに1学期の中間よりかは上がったけど

今までがひどすぎたというか、
実際やっとどれも平均点に追いついたというだけで、手放しではまだ喜べない。

皆よりも遅れてようやくスタートラインに立てた私の、そのずっと先を走るのは……


その後ろ姿を思い浮かべようとしたとき、窓際からサッカー部の騒ぐ声がした。


「すっげー!隼人、オール5じゃん!」

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