TEARS【~君色涙~】
「お、ついに認めたな~?」
「……」
「ねぇ噂をすれば隼人来たよ!思いきって言っちゃえ」
「へっ?」
い、今!?
躊躇する間もなく、ユカリの手に押された私は廊下へと放り出される。
その勢いで壁に追突するや否や、そこには隼人がいた。
「…お、おはよう隼人」
「…お、おう。おはよ…」
不意打ちすぎたのか、さすがの隼人も動きが固まっている。
ど、どうしよ…もしかして隼人引いてる?
ってかビックリしてるじゃん…
内心パニクっていると、そんな私を宥めるかのように
「ケガすんなよ」
と一言、そう呟いて
ポンと私の頭に触れてくれた。
あ…
「ねぇ隼……」
「おーい隼人~!」
その瞬間、顔を上げてとっさに言いかけるも、
クラスの男子に呼ばれてか、教室へと入って行ってしまった隼人。
ひとり撃沈する私に、ユカリの呆れた声がする。
「もー、優衣。何やってんの」
「だ、だっていくら何でも無茶だよ」
「隼人とやり直したいんでしょ?ならごちゃごちゃ言ってないでもっと積極的にいかなきゃ!」
「……うん、そうだけど」
「隼人の気持ち気にしてんの?
どうでも良かったら、ふつう家までわざわざ送ったりしないよ?」
ユカリの言葉に、私はさっき隼人に頭を撫でてもらえた感触を思い出す。
…たしかに、嫌われてはいないと思う。
思うけど…
「……」
ちょっとは期待しても