TEARS【~君色涙~】
いいのかな……



「隼人~!」


そう思いかけたとき
また一人、隼人を呼ぶ声がした。


でも今度は男子じゃない、女子特有の高い声で。

ハッと我に戻って教室を覗きこむと、隼人に話しかけていたのは藤原さんだった。

私の脳裏を、こないだの夏祭りに起きた出来事がよぎる。



“せっかく隼人に見せようとして張り切って浴衣まで着てきたのにこれじゃ残念だね~。早く落とさないとシミになるよ?”


「…あ"」



わ、忘れてた!


ライバルの存在を!!
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