TEARS【~君色涙~】
優太……


「あっ、優衣姉ちゃん!」

「え、栗原?」


すぐに二人の元へ駆け寄ると、両手を上げて私の膝に抱きつく優太と、ちょっと驚いた様子の隼人。

私は思わずその場にへたりこむ。


「この迷子…?ってもしや栗原ん家の弟?」

「うん……」

「へぇ、こんな歳の離れた弟いたんだな」

「隼人が見つけてくれたの?」

「さっき部活中にちょうどな。
見つけたっつうよりは、見かけたに近いけど。
まぁこんだけ小さい子供が一人で居りゃ誰だって心配になるだろ」


そう言って、優太の頭を撫でる隼人。


当の優太はどこかケガをしているわけでもなく元気そう。

隼人に頭をポンポンしてもらえて、
ニコニコと嬉しそうに笑う優太に、私は心の底から安堵した。


よかった…優太が無事で。

本当に本当に、無事で良かったよ……



「隼人、ありがとう……」

「……」


素直にお礼を告げる私に、
隼人は一瞬びっくりした顔を見せたかと思うと、すぐにフイと目をそらした。
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