TEARS【~君色涙~】
「!」


し、しまった!


その瞬間、私はとっさにバッ!と文字を手で覆った。


な、ななんでよりにもよってこんな書き間違えを……

これじゃ考えてることがバレる……


間違えた内容が内容なだけに気まずく思っていると、隼人がこんな話を切り出してきた。


「ところでさ、優衣はもう志望校どこにするか決まったんだよな」

「!あ、うん!決めたよ。東高校ってとこなんだけど」

「東高?そういや昔姉貴がそこ通ってっかも」

「うん、おんなじ高校だよ。偶然隼人のお姉さんに会った時があってね、勧めてくれたの」


隼人と似て優しくお茶目な雰囲気がするマヤさん。

あの日の出来事を思い出し、自然と自分の表情も明るくなっていく。


さっきまで恥ずかしかった気持ちが和らいでか、つい身を乗り出したまま話していると、隼人はどこか影を落としたように目をそらした。


「そっか。じゃあもしお互い受験に合格しても、卒業後は離れ離れだな」


ふいにボソ、と聞こえてきた隼人の声。
その言葉で私はようやくハッとする。


あ………
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