TEARS【~君色涙~】
「…うん」

「……」

「は、隼人は西高だもんね。しかもすっごい頭の良い」


自分で言って泣きそうになった。

悟られぬよう、慌ててペンを持ち直した私はとっさに勉強を再開する。


「東高にはもちろん合格したいけど、
そしたら隼人と毎日学校で会えなくなっちゃうのは正直…さ、寂しいなぁ…なんて」

「……うん」

「……」

「俺も寂しい」


聞き間違いではないだろうか。

隼人の口から返ってきた返事に、私の手がピタ…と止まる。


この時ちょうど目に止まったのは、さっき私が間違えて書いたスペルの綴り…


思わず顔をあげると、隼人もまっすぐ私を見ていた。



「……っ」



ねぇ隼人、期待してもいいの?


本当は卒業しても隼人に会いたい。

離れたくない



隼人の気持ちが知りたいよ……――
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