TEARS【~君色涙~】
「――で?隼人には結局どう思ってるのか聞いてないの?」
そして翌朝、昨日のいきさつを白状させられるも、ユカリからは冷ややかな目線が返ってきた。
私はヘビに睨まれたカエルのように体を縮こませる。
「はい……」
「なんで!?聞きなよ!いまどき思春期の中学生かい!って、いや実際そうだけど…あーもうとにかくじれったい!」
受験へのストレスも相まってかユカリの怒りは頂点に。
その姿は本物のメデューサのよう…
「ちょっとユカリ。うちらはあくまで見守る側なんだから。いちいち感情的にならないの」
一方、みーちゃんは天から舞い降りてきた女神様のよう。
ユカリには常時毒舌だけど、不思議と私のことは甘やかしてくれる気がする。
そう、それはまるで
どんな時も優しく気にかけてくれる姉のような……
「はいはい。分かりましたよーっと。
じゃあ運動会の話でもする?今年は3年の学年種目、ムカデ競争らしいよ」