TEARS【~君色涙~】
「…ムカデ?」
「そ!実は私やりたかったんだよね~。クラス一致団結!みたいな。絶対優勝しようね!」
と、中学最後の運動会という事もあってか今から意気込みを燃やすユカリ。
対する私は思わずシュンと肩を落としてしまった。
「……」
運動会……
例年なら私も、凄く楽しみにしてた。
なのに今年は…来てほしくない。
だって……
「ねぇ栗原さん、ちょっと。言いたいことあんだけど」
ふとその理由が頭をよぎったとき、まるで考えていることを読まれたかのように後ろから話しかけられた。
その声にドキリとした私はハッと振り返る。