TEARS【~君色涙~】
そう願ってしまう気持ちとは裏腹に、次の日もムカデ競争の特訓が行われた。
昨日は隼人が先頭で皆をリードしていたものの
今日の練習にはあえて参加せず、いったん離れた場所から見守ることに。
様子を観察する隼人の隣には、当然のように藤原さんの姿が…
(どうしよう、二人のことが気になって集中できない……)
チラチラ…と幾度となく向こうの二人に気を取られるも、足元は固定されたロープにつられてか前進していく。
もしかしたら改善策でも立てているのかもしれない。
しきりに藤原さんが隼人の耳元で何か話してる。
「!」
でも次の瞬間、私の心はひどく動揺した。
突然――藤原さんが隼人の腕を掴んで引き寄せたんだ。
ふいに引っ張られたことで隼人の体が傾き、二人の距離がグンと縮まる。
その状況に目を奪われた時だった。
――!
さっきまで揃っていたはずのリズムが乱れ、足がもつれ出す。
とたんに沸いてくる女子の悲鳴。
まずい
そう思ったときにはもう遅かった。
まるでドミノ倒しかのように次々と目の前の皆が倒れていったかと思うと
ズキン!という足がねじれるような激痛がして、私も地面に転倒した。
昨日は隼人が先頭で皆をリードしていたものの
今日の練習にはあえて参加せず、いったん離れた場所から見守ることに。
様子を観察する隼人の隣には、当然のように藤原さんの姿が…
(どうしよう、二人のことが気になって集中できない……)
チラチラ…と幾度となく向こうの二人に気を取られるも、足元は固定されたロープにつられてか前進していく。
もしかしたら改善策でも立てているのかもしれない。
しきりに藤原さんが隼人の耳元で何か話してる。
「!」
でも次の瞬間、私の心はひどく動揺した。
突然――藤原さんが隼人の腕を掴んで引き寄せたんだ。
ふいに引っ張られたことで隼人の体が傾き、二人の距離がグンと縮まる。
その状況に目を奪われた時だった。
――!
さっきまで揃っていたはずのリズムが乱れ、足がもつれ出す。
とたんに沸いてくる女子の悲鳴。
まずい
そう思ったときにはもう遅かった。
まるでドミノ倒しかのように次々と目の前の皆が倒れていったかと思うと
ズキン!という足がねじれるような激痛がして、私も地面に転倒した。