TEARS【~君色涙~】

「――ねぇ優衣、本当に大丈夫なの?」


週明けの月曜日、車の運転席ではハンドルを握りながら心配そうな顔を浮かべるお母さん。

バックミラー越しには、後部座席でギプスを固定したまま座る自分の姿が映る。


「平気だよ。土日でちょっと慣れたし」

「そう?でもやっぱり心配だわ。
ただお母さん帰りは仕事で、もうこの前みたいに抜けれないからお迎えに行けないし…」


と、なおも不安がる様子のお母さんに、私は窓の景色から視線を戻すと、なんてことない表情で笑ってみせた。



「大丈夫。帰りは一人で帰るから」








とは言ったものの

今まで何とも思わなかった教室への道のりが、やけに遠い…。


カタカタと松葉杖をつきながら、やっとの思いで教室に入ってくるも、今度はクラス内でちょっとしたざわめきが起こった。


例のケガのあと土日休みを挟んだのちの登校だったせいもあり、皆からの視線を痛いほどに感じる中、ユカリとみーちゃんが駆け寄ってくる。
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