TEARS【~君色涙~】
あれから、どれくらい時間が過ぎていたんだろう。
(…あ、もう5時)
勉強に集中していたせいもあってか、ふと壁の時計を見上げるといつの間にか17時を過ぎていた。
慌てて窓を覗くも、さっきまで校庭で準備していたと思う隼人たちが見当たらない。
(ひょっとして今、藤原さんといるとか……?)
机には、未だ隼人が置いていったままのカバン。
思わず居ても立ってもいられなくなった私は自分の荷物の他に隼人のカバンも抱えると、松葉杖のまま急いで図書室を後にする。