TEARS【~君色涙~】
まるで何かに突き動かされたように
迷いなく私が向かった先は、自分のクラスの教室だった。


めいっぱい杖を握りしめていたせいか最後の方にはもう腕に力が入らず、やっとの思いで廊下へと辿り着いた時

誰もいないはずの教室には明かりが付いていた。



「……」



あの光の中に隼人がいるような気がして。

まだ息は上がっていたものの、最後の力を振り絞るように私は前進する。



そしてようやく教室のすぐ目の前へと近づいたとき、中で隼人の話す声がした。



「なぁ藤原、何だよ話って」
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