TEARS【~君色涙~】
わ、私……――?
「栗原さんて、隼人の元カノでしょ…?隼人の事こっぴどく振っておいて今はずいぶん馴れ馴れしくしてるみたいだけど、本音のところはどう思ってんの?」
思いがけず話の矛先が私へと向けられた事に、空気がピンと張りつめたような感覚がした。
ただ教室にいる藤原さんには、私が廊下で聞いていることは気づいていないらしく、なおも怖い声で喋り続ける。
「私が怪我したところで心配なんか…これっぽっちもしてくんないくせに。元カノだけは特別扱いしたみたいに優しくして。…あの女のこと引きずってるわけ?まだ好きなんでしょ?」
「……」
「ねぇ答えてよ隼人!」
いつまでも黙っている隼人に、藤原さんがしびれを切らしたように語気を荒げる。
でもその声は確かに震えていて。
閉められた扉の向こうでは、あの藤原さんが泣いているのが私にも分かった。
それでも何も言わない様子の隼人に不安を感じていると、しばらくして隼人がポツリと…こう答えたんだ。
「うん…好きだよ」
「栗原さんて、隼人の元カノでしょ…?隼人の事こっぴどく振っておいて今はずいぶん馴れ馴れしくしてるみたいだけど、本音のところはどう思ってんの?」
思いがけず話の矛先が私へと向けられた事に、空気がピンと張りつめたような感覚がした。
ただ教室にいる藤原さんには、私が廊下で聞いていることは気づいていないらしく、なおも怖い声で喋り続ける。
「私が怪我したところで心配なんか…これっぽっちもしてくんないくせに。元カノだけは特別扱いしたみたいに優しくして。…あの女のこと引きずってるわけ?まだ好きなんでしょ?」
「……」
「ねぇ答えてよ隼人!」
いつまでも黙っている隼人に、藤原さんがしびれを切らしたように語気を荒げる。
でもその声は確かに震えていて。
閉められた扉の向こうでは、あの藤原さんが泣いているのが私にも分かった。
それでも何も言わない様子の隼人に不安を感じていると、しばらくして隼人がポツリと…こう答えたんだ。
「うん…好きだよ」