TEARS【~君色涙~】
「……っ」
「ただ、藤原が言う好きとは、またちょっと意味が違ってっかも…」
う
う
うそ…
本当に?
隼人も私を、好き……――?
その事実に思わず声が出そうになって、慌てて自分の口を手で塞いだとき、隔てた扉の向こう側で隼人が少し困ったように言った。
その言葉で私が顔を上げてみたのと同時に、中で藤原さんの問いただす声がする。
「は?どういう意味?
まさか好きを通り越して愛だとか、寒気するようなこと言うつもり?」
「え、いや、そういうわけじゃねーけど」
「……」
「ま、でも似たようなもんか…な」
と、まるで独り言のように言い直したかと思うと、隼人は自分自身でも確かめるように話し始めたんだ。
「優衣の事は…大切なんだ、今でも。困ってんの見たらジッとしてらんねーし、助けたい」
「……」
「ただ俺がそうするのは、優衣に見返りを求めてるわけじゃないっつうか……」
見返り……――?
思わず引っかかりを感じた私の気持ちを代弁するように、藤原さんがこう聞き返す。
「見返り?なら隼人は今、元カノとヨリ戻したいとは思ってないってこと?」
「まぁ…そうだな」
「じゃあ隼人にとって栗原さんは今、どういう存在なわけ?」
ドクン
ドクン……
とことん突っ込んだその問いかけに、心臓の音が次第に大きくなっていく。
教室の中では「どういうって…」と明らか返答に考えあぐねている様子の隼人の声がして
「……まぁ、なんつーか」
長い沈黙があり、ようやく答えが出たのだろうか
隼人の……その先へと続く言葉に私の全神経が集中する。
そしてこう言ったんだ。
「今の俺にとって優衣は、ほっとけない可愛い『妹』みたいなもんだから……」
「ただ、藤原が言う好きとは、またちょっと意味が違ってっかも…」
う
う
うそ…
本当に?
隼人も私を、好き……――?
その事実に思わず声が出そうになって、慌てて自分の口を手で塞いだとき、隔てた扉の向こう側で隼人が少し困ったように言った。
その言葉で私が顔を上げてみたのと同時に、中で藤原さんの問いただす声がする。
「は?どういう意味?
まさか好きを通り越して愛だとか、寒気するようなこと言うつもり?」
「え、いや、そういうわけじゃねーけど」
「……」
「ま、でも似たようなもんか…な」
と、まるで独り言のように言い直したかと思うと、隼人は自分自身でも確かめるように話し始めたんだ。
「優衣の事は…大切なんだ、今でも。困ってんの見たらジッとしてらんねーし、助けたい」
「……」
「ただ俺がそうするのは、優衣に見返りを求めてるわけじゃないっつうか……」
見返り……――?
思わず引っかかりを感じた私の気持ちを代弁するように、藤原さんがこう聞き返す。
「見返り?なら隼人は今、元カノとヨリ戻したいとは思ってないってこと?」
「まぁ…そうだな」
「じゃあ隼人にとって栗原さんは今、どういう存在なわけ?」
ドクン
ドクン……
とことん突っ込んだその問いかけに、心臓の音が次第に大きくなっていく。
教室の中では「どういうって…」と明らか返答に考えあぐねている様子の隼人の声がして
「……まぁ、なんつーか」
長い沈黙があり、ようやく答えが出たのだろうか
隼人の……その先へと続く言葉に私の全神経が集中する。
そしてこう言ったんだ。
「今の俺にとって優衣は、ほっとけない可愛い『妹』みたいなもんだから……」