TEARS【~君色涙~】
冬休みに入ると、世間はもう既にクリスマス。
受験生といえども、イヴには仕事帰りにお父さんが買ってきてくれたホールケーキを家族全員で食べた。
側では、優太と一緒に飾り付けをしたツリーの装飾がキラキラと光っている。
そこでちょうど目に入った、プレゼントボックスの形をした小さなオーナメント。
それを一つ、ツリーから取って外してみた私は
家族団らんの時間もそこそこに駆け足で部屋へと戻ると、机に飾ってある小さなテディベアの手にも、それを持たせてみる。
そして、こう呟いた。
「メリークリスマス」
新年が明けると
合格祈願も兼ねて、ユカリとみーちゃんと三人で初詣に出かけた。
去年の夏祭りにも訪れたこの神社。
そういえばこの場所で広瀬先輩と加奈子さんの姿を見かけたんだっけ…
今も二人は幸せにしているかな。
様々な思い出に想いを馳せながらも、賽銭箱の前へと立った私は自分の合格祈願に手を合わせる。
「………」
この日の夜、初詣から帰っても相変わらず受験勉強に明け暮れていると
ふと窓の向こうが白くなっていることに気がついた。
不思議に思った私は立ち上がって、カラ…と窓を開けてみる。
「!」
あ、雪……
気がつくと元旦の夜空からシンシンと舞い降りていたのは、まっさらな雪。
東京に雪なんて珍しい…。
驚いて、思わず吐きだした息も白く変わっていく。
しばらくの間、外の景色に見入っていたらラインが鳴った。
画面に映ったのは、隼人から久しぶりに届いた『あけおめ&雪』のメッセージ。
私はすぐに返信を送る。
『隼人、あけましておめでとう!今年もよろしくお願いします』
受験生といえども、イヴには仕事帰りにお父さんが買ってきてくれたホールケーキを家族全員で食べた。
側では、優太と一緒に飾り付けをしたツリーの装飾がキラキラと光っている。
そこでちょうど目に入った、プレゼントボックスの形をした小さなオーナメント。
それを一つ、ツリーから取って外してみた私は
家族団らんの時間もそこそこに駆け足で部屋へと戻ると、机に飾ってある小さなテディベアの手にも、それを持たせてみる。
そして、こう呟いた。
「メリークリスマス」
新年が明けると
合格祈願も兼ねて、ユカリとみーちゃんと三人で初詣に出かけた。
去年の夏祭りにも訪れたこの神社。
そういえばこの場所で広瀬先輩と加奈子さんの姿を見かけたんだっけ…
今も二人は幸せにしているかな。
様々な思い出に想いを馳せながらも、賽銭箱の前へと立った私は自分の合格祈願に手を合わせる。
「………」
この日の夜、初詣から帰っても相変わらず受験勉強に明け暮れていると
ふと窓の向こうが白くなっていることに気がついた。
不思議に思った私は立ち上がって、カラ…と窓を開けてみる。
「!」
あ、雪……
気がつくと元旦の夜空からシンシンと舞い降りていたのは、まっさらな雪。
東京に雪なんて珍しい…。
驚いて、思わず吐きだした息も白く変わっていく。
しばらくの間、外の景色に見入っていたらラインが鳴った。
画面に映ったのは、隼人から久しぶりに届いた『あけおめ&雪』のメッセージ。
私はすぐに返信を送る。
『隼人、あけましておめでとう!今年もよろしくお願いします』