TEARS【~君色涙~】
夕焼け空の道を弟の優太と、ユニフォーム着姿の隼人と歩いて帰る。

俯きがちだった顔を上げれば私の少し前を、弟の手を引いて歩く隼人。


「ねぇお兄ちゃん、おんぶして~」

「おんぶ? しょうがねーな…」


歩き疲れたのか、おんぶをせがみだした弟に、隼人が「ほら」と地面に膝をつく。

…優太ってば、もう隼人になついたみたい。


嬉しそうに隼人の背中に身を預ける様子を見て、思わず笑みがこぼれた。


「子ども、慣れてるんだね」

「え?…あぁ、俺ん家のいとこがちょうどおんなじ位でさ、よく面倒見させられんだよな」


ため息混じりに話す間も、後ろでは優太から髪をいじくられて。


それでも嫌な顔ひとつせず、幼い弟の相手をしてくれる姿に、なんだか隼人の意外な一面を見た気がした。


……なんか不思議。

あんなにやんちゃでお調子者で、子どもっぽいって思ってた隼人なのに。

今はすっごく、頼りになるお兄ちゃんに見える。
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