TEARS【~君色涙~】
謝ろうと思ってたのにな………


「それでさー、うちの妹ってば超面白くて」

「……」

「ねぇ優衣聞いてる?」

「え?」


自分でも何でこんなに気にしてしまうのか分からなくて。

どことなく落ち込んでしまっていたところを、談笑中のユカリに声をかけられた。


「あ、ごめん。聞いてなかった」

「もー、優衣ってば正直(笑)
てかそれより今日どうする?広瀬先輩の応援行くでしよ?」


ユカリの言葉に、さっきまでしょげていたはずの私の顔がパッと花開く。


「うん。行く」

「じゃあ決まり。また昨日みたいなミラクル起きるといいね♪」

「うん!」




でもこの日の放課後、
私たちが期待するようなミラクルは起きなくて。


明日になっても

来週になっても


広瀬先輩の目に再び私が映るなんて奇跡はもう、起きなかったんだ。
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