TEARS【~君色涙~】
ある日の放課後、私は今日もユカリ達と共に広瀬先輩の応援に来ていた。
太陽の眩しさから手をかざすと
桜の花びらはとうに散り、小さな緑の葉が風に揺れていた5月。
中学に入ってから早くももう、1ヶ月以上が経とうとしていた。
「広瀬先輩、がんばれ~!」
放課後はこうしてほぼ毎日サッカー部の様子を見学するのが日課にはなったのの…
広瀬先輩とはあれから何の進展も起こらないまま。
隣でユカリとみーちゃんが応援に声を張り上げている中
肝心の私は一人どこかぼんやりとした表情で見ていると、ふと視界の端で隼人の姿が目に入った。
「……」
グラウンドのコート外で、
他の1年の部員仲間と一緒にサッカーのリフティング練習をしている様子の隼人。
そんな隼人に気づいたユカリ達がベンチから声をかける。