明日と昨日の道
そういえば、携帯新しくしたんだった。あいつらから逃れるために…
だから私の携帯には、家族のアドレスとかしかない。
高校で、友達できるといいなぁ…
「おーい。ひーちゃん。部屋、うまく片付けれた?」
お母さんだ。
お母さんは、私のいじめを理解してくれた唯一の味方。
お父さんは、私がお腹にいる頃に死んでしまったらしい。
えーっと、確かガンで。お母さんも、当時はすっごく悲しんでて、お母さんは自殺しようとしたらしい。
でも、病院でお腹に子供がいるって聞いて、この子はお父さんからの授かりものだと思ったんだって。
今は、産んでよかったって言ってるから、私は幸せだけどね。
「うん、だいぶできたよー。今から下に行くね。」
うちは、二階建ての住宅。二人だけだから寂しいと思ったけど、結構お母さんはうるさいから、寂しくないね。
「ひーちゃん。明日から学校ね。」
「…うん、でも、心配しないで。大丈夫だし、それに」
「無理していかなくてもいいのよ?」
よっぽど心配なのか、私の言葉を遮って聞いてきた。顔にすごく心配って書いてある。
「も〜。だいじょうぶだってば‼︎けじめもつけたし、ね⁉︎」
「そぅ。何かあったらちゃんと言うのよ?」
心配性だなぁ。ま、前の学校のことがあったら、そりゃしょうがないけどさ。
「はーい。」
「ひーちゃん。もう遅いから寝なさい。明日は始業式だし、転校初日なんだから、可愛くしていきなさいよ‼︎」
「ぅーい。」