オカルト研究部の紫子さんと菊二先輩
月の罰
1
「はぁ、はぁっ」
夜の帳が落ちた夜道を走る。
何で、どうして私が。
自然と涙が溢れてきたが、それが走る辛さなのか恐怖なのかまともに判断がつかない。
「っきゃあ!」
すると転んでしまって、無様に転げ回る。
痛みに顔を歪め、立ち上がろうとするが足を挫いてしまって無理だった。
ひた。ひた。
足音が、近づいてくる。
「嫌、いやぁ!! 来ないでよ!」
がくがくと膝が笑って、張り上げた声は滑稽にも震えていた。
ひた。
音が
ーー止まった。
ひゅうっと息をのみ、恐る恐る後ろを振り返る。
「……ははっ」
月明かりに照らされた『ソレ』は、私に手を伸ばしていた。
つぅっと頬を涙が伝い、渇いた笑い声が響く。
「ーーばけもの」
呟いた言葉を聞いたのは、空で輝く満月だけだった。
「はぁ、はぁっ」
夜の帳が落ちた夜道を走る。
何で、どうして私が。
自然と涙が溢れてきたが、それが走る辛さなのか恐怖なのかまともに判断がつかない。
「っきゃあ!」
すると転んでしまって、無様に転げ回る。
痛みに顔を歪め、立ち上がろうとするが足を挫いてしまって無理だった。
ひた。ひた。
足音が、近づいてくる。
「嫌、いやぁ!! 来ないでよ!」
がくがくと膝が笑って、張り上げた声は滑稽にも震えていた。
ひた。
音が
ーー止まった。
ひゅうっと息をのみ、恐る恐る後ろを振り返る。
「……ははっ」
月明かりに照らされた『ソレ』は、私に手を伸ばしていた。
つぅっと頬を涙が伝い、渇いた笑い声が響く。
「ーーばけもの」
呟いた言葉を聞いたのは、空で輝く満月だけだった。