ピアノを弾く黒猫
ご飯
「優子、いるの?」
ガチャリとノックもなしにはいってくるお母さん。
もうお母さんが帰ってくる時間だったの?
あたしは時計を見た。
もうすぐで時計は、6時をさそうとしていた。
「あら、彼氏を連れてきていたの?
勝手に連れてきちゃ駄目でしょ優子」
か、彼氏!?
お母さんの恥ずかしい勘違いに、あたしは再び顔を真っ赤にした。
「お、お母さん…黒田くんは彼氏じゃないわ。
この間、花束をくれた人よ」
「黒田初夜です、お邪魔してます」
「…この間の、白薔薇の花束の子…?」
お母さんはまじまじと黒田くんを見つめる。
黒田くんは相変わらず、口元に笑みを浮かべていた。
「あなた…誰かしら?」
「え?お母さん?」
「見たことあるわ…。
どこで見たのかしら……?」
お母さんが、黒田くんを知っている?