ピアノを弾く黒猫
もうすぐで
☆優子side☆
次の日、大学の講義を終えたあたしは、急ぎ足で大学を出ようとした。
難なく出ることが出来なかったのは、目の前に生島くんが立ったからだ。
「優ちゃん。
黒田初夜とは会わない方が良い」
「え?」
生島くんが言ったことに、あたしは驚いた。
「黒田初夜だろう?
優ちゃんがこの間会っていた男は」
「そうよ。
だけどどうしたの生島くん。
会わない方が良いだなんて…」
「僕は優ちゃんが哀しむ顔は見たくない。
だからこうやって忠告しているんだ。
優ちゃん、二度と黒田初夜には会うな」
「生島くん!」
あたしは少しだけ大きな声を出した。
「生島くんらしくない。
何でそんなこと言うのよ。
生島くん、黒田くんのこと知っているの?」
「……ッ」
生島くんは黙ってしまった。