ピアノを弾く黒猫
「白薔薇の蕾の花言葉はね、心にもない恋なのよ…」
心にもない恋…。
ピッタリだ。
「これを優子に送ってきた時から、驚いていたわ。
何であんなに優子を好きだと言っていた初夜くんが、白薔薇の蕾の花言葉を持ってきたのか。
いつかは別れるんじゃないかと思っていたわ」
お母さんは部屋を出て行った。
あたしはベッドにダイブした。
ギシッと音を立てたけど、気にしないことにする。
何で?
何でよ、黒田くん。
何であたしに近づいたの?
心にもない恋心を持ちながら。
最初からこれが目的だったの?
嫌い…嫌いよ……。
黒田くんなんて…
大嫌い……。