ピアノを弾く黒猫
「どこ行くんですか?
遊園地ですか?
なら俺、良い所知っていますよ」
「違うわ」
「あ、じゃあ水族館だ!
水族館でも俺、良い所知っていますよ」
「違うわ!」
良い所知りすぎじゃないの?
てか、違うし!
「違うわ!
何でストーカーとデートなんて行かないといけないの。
遊園地も水族館も、行くわけないでしょ」
「え?
じゃあどこ行くんです?」
「決まっているでしょ」
「…わかりました!」
ポンッと自分の右手で左手を叩いたソイツ。
ようやくわかったか。
「動物園ですね!
優子さん動物好きそうですもんねー。
任せてください!
俺が優子さんを完璧にエスコートします!!」
「馬鹿ッ!!」
わかってないし!
てか何なの、動物園とか。
コイツの頭の中、四六時中パレードしているんじゃないの?