発進受信
「そう、本を呼んで感動し、音楽を聴いて興奮し、映画を見て感心し、煙草を吸ってフラフラになる、死んでからじゃできない、それに天国も地獄も禁煙ぽそーだからさ」

「感じるために生きてるんですか?」

「かもしれない、俺にも良くわからないんだよ、よくオヤージーの講義を受けてる」

「思春期ですね」

「そーだねー、哲学ぶるでもなし、知人ぶるでもなし、感じればいいんだよ」

そう、電波のように。

恋の瞬間。

赤い電波と赤い電波が重なり合ってバチンとはじけるあの瞬間。

俺にもあるのだろうか。
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