発進受信
「私、話を聞いてからすごく自分を責めました、なんでおねえちゃんを殺しちゃったんだ
ろうって」

「・・・」

「お父さん、妊娠したときに喜んで、家を建てちゃって、部屋まで作っちゃって」

筑那美ちゃんのその姿は、どこか遠くを見て、儚く見えた。

薄幸なのだろうか、それとも幸福なのだろうか。

そのくせ、どこか力強さを感じた。

「今日で、最後なんですね」

寂しそうに言った。

電波が不安の色だ。
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