発進受信
「可愛いのか?」

「めっちゃ可愛い」

「好きなのか?」

「めっちゃ嫌い」

ハハハと二人で笑う。

「腹、減ってないか?」

「微妙、かな」

「ちょっとまってろ」

二階に上っていってなにやら音がする。

数分するとカップ麺を二つ、抱えてきた。

「ほら、食え」

「悪いね」

銘柄は盆兵衛だった。

「こいつだけは俺が子供の頃からずっとあるんだ、もっとも御揚げの材料が変わっちまっ
たけどな」

「うまいよ、すごく」

「いっぱい食ってでっかくなれ」

「うん」

しばらく、麺をすすっていた。
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