発進受信
ゆっくりと振り返ると、リボンの少女が屋上の入り口にいた。

「何か用、かな?」

筑那美ちゃんは何も言わない。

「もしかして占い?」

首を振る。

「もしかして、俺が何してるか探ってる?」

首を縦に振ろうとしているのか、横に振ろうとしているのか。

曖昧な仕草をする。

「ちょっと話そ、とって食いはしないから」

とてててとクマリュックを背負いながら走ってくる。

金網に背を預けて、座り込む。

筑那美ちゃんも隣に座った。
< 81 / 202 >

この作品をシェア

pagetop