何度でも
君は立ち上がる
雨の降る校庭



日曜日の午後、私は君に初めて出会った



傘を差したまま、君を見ていた



泥だらけの君は、サーカーボールと一緒に走り回っていた



ボールは笑っているみたいに転がっていく



苦しそうにボールを追って走る君



誰よりも輝いていた



次の日曜日も君はいた



また、雨だった



私は傘も差さずに、君を見ていた



君は転んでいた



ボールは心配そうに止まった



もう少しだけ



君がそう呟いたように見えた



その時、雨足が止んだ



一筋の光柱が校庭に差し込んだ



君は立ち上がる



何度でも立ち上がる



君は呟く



私も呟く



何度でも立ち上がる



まだ頑張れるだろってボールが呟いた



雨上がりの午後に、君はまた走り出した


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