また、君に会いたい

だけど、ある日の朝――…


いつものように会社に向かおうとしていたら、やっぱりその女の人は桜の木をじっと見つめていた。


今日もいる


そう思いながらその女の人を見ると、その女の人の瞳から涙が……


「よかったら、コレどうぞ」


俺は立ち止まって、無意識にその女の人にハンカチを差し出していた。


「えっ!?」


その女の人はすごく驚いて、俺を見る。


そりゃ、そうだ。

見ず知らずの人間に、いきなり声を掛けられ、そしてハンカチを差し出されているのだから。


「ちゃんと洗濯してあるので、よかったら使って下さい」


俺はそう言って、その女の人にハンカチを半ば強引に渡し、会社に向かった。


っていうか……

俺、何やってんだ!?


いきなり知らない相手からハンカチを渡されても、気持ち悪いよな。





その日の仕事中。

俺は、桜の木を見つめてい涙を流していた女の人の事が気になって仕方がなかった――…