また、君に会いたい
って、俺、何言ってんだ!?

これじゃぁ、“好き”って言っているようなもんじゃないか。

っていうか、ほぼ初対面の俺達。

これってナンパじゃないか?


「あっ、えっと……。ごめんなさい!今の気にしないで。それじゃぁ……」


我に返った俺は恥ずかしくなり、パッと掴んでいた腕を離し、会社に向かおうとした。


「あのっ!!」


だけど、呼び止められ振り返ると、その女の人は真っ赤な顔をして


「お食事……、行きましょう……」


恥ずかしそうに小さな声で、そう言った。


「えっ?」


まさかの答えに一瞬驚いたが、そんな恥ずかしそうにしている姿が、なんだか可愛く思えた。


「えっと、君……」

「野中です。野中 佳代(のなか かよ)」

「あっ、俺、高橋櫂。えっと野中さんって、仕事は……」


俺よりも若く見える彼女。

“もしかして学生かな?”

なんて思いながら聞いてみると


「あっ、18時頃には終わります」


野中さんは真っ赤な顔をしたまま答えた。


「じゃぁ、仕事が終わったらここでいい?」


俺も今日は18時に終わる。


「はい」

「じゃぁ、また夜に」


そう言って、俺達はそれぞれ会社に向かった。


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