また、君に会いたい
「ごめん!今の無し!!言いたくないよな……」


気になるけど、野中さんの悲しそうな表情。

好きな相手にそんな表情をさせたくはない。

そう思い、質問を取り消したのだけど、


「ううん、大丈夫。聞いてくれる?」


そう言って、野中さんは話し出した――…


野中さんには同じ会社の彼氏がいた。

だけど、三年くらい前、彼は転勤になり、二人は遠距離恋愛になる。

休みの度に、彼の所へ行ったり、彼が野中さんの所へ来たり。

連絡もマメに取っていたのだが、それも長くは続かなかった。

彼が転勤して、一年も経たないうちに、連絡が取れなくなったらしい――…


「連絡が取れなくなって、しばらくしてからかな?同僚から『あっちで女が出来たらしい』って聞いて……。連絡が取れなくなってから、私もどこかで“もうダメなのかな?”って思っていたんだけどね。でも、ちゃんと彼と話したわけじゃないし、はっきり別れ話をしたわけじゃないし……。だけど、結局、連絡取れないまま自然消滅」


野中さんは、悲しそうに笑いながら話してくれた。


“彼女をなんとかしたい”

俺はそう思っていたけど、なんて声を掛けたらいいかわからなかった。


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