満たされない心〜貴方が満たしてくれた〜

「遅くなり、申し訳ありません」

5日ぶりに見る桜田さんは少しやつれて見え、無精髭が生えていた

『いえ……あの……康太は?』


「あ……若は後処理があり、まだ……とうぶん戻りません」

戻らない……
とうぶん……

「大丈夫です、終われば戻りますから」

『……はい』


桜田さんの帰宅に麻衣子は喜んでいる
そりゃ、そうだよ。
私も早く康太に会いたいよ……


「若が戻るまで、麻衣子はまだ結衣様といるよう……」
「まだ、こっちに戻れないから……」

そう麻衣子に言うと、渋々納得している様子だった。


康太が無事ならいいんだけど、
ちゃんと会って確かめたい……。


康太がいない生活は
それから1週間も続いた。


私は少し不安だった。
電話にも出ない、メールも返信がない。

桜田さんに言っても
「今は忙しいんで……もう少し待ってください」

その返事ばかり。
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