満たされない心〜貴方が満たしてくれた〜
桜田さんの話だと
抗争が終わり、少しだけ怪我をしたくらいで問題なかったらしい。
ただ、隠れていた相手の下っ端が数人
拳銃を康太に向けたらしい。
康太はすぐ、病院に運ばれて手術をし
一命は取りとめたが、意識が戻らない。
このままってこともあるだろうって。
もう少し容態が落ち着いたら
小百合さんの病院へ移す予定だという。
私は桜田さんの話を聞きながら
康太の手を握っていた。
「マンションはあのままなので、住んでいてもかまいますんが…若がいつ戻るかわかりません」
「もし……結衣様が新たな道を進むのであれば……全力でバックアップさせていただきます」
『……桜田さん……康太がこのまま意識が戻らなかったら……どうなるんですか?』
「……あとは組長の判断です」
『……少し考えさせてください』
『……今夜はここに泊まります…』
私が言うと桜田さんは病室から出て行った。
『……康太』
私が読んでも反応はない
聞こえるのは機械の音だけ。
私はどうしたらいいの……
康太と離れるなんて……
私は康太の手を握りながら
康太の体温を感じ
朝を迎えた。