満たされない心〜貴方が満たしてくれた〜
『先生は……康太の事よく知ってるんですね…』
「ん?あぁ……僕は康太の叔父なんだ…康太くんの亡くなった母親の弟なんだ」
康太のお母さんって亡くなってるんだ…
「康太くんの母親はね……殺されたんだ」
えっ……殺された……
康太のお母さんは
今回みたいな抗争中に拉致されて殺されたという。昔は今まで以上に残酷で抗争なんてよくある話だったという。
『康太にそんな過去が……』
「康太くんが小学三年生の時だったかな…それからの康太くんはあまり自分の気持ちを言わなくなったんだ……まだまだ母親が必要な時期だったのに、寂しいとも言わなかった」
「再婚して、新しい母親が本家に住むようになってからは、本家を出て一人で住むようになってね……それからはいい噂は聞かなかったよ」
そんなに荒れてたんだ……
『私の知っている康太はやっぱり違いますね……』
嫉妬深くて、独占欲強くて
寂しがりやで…純粋な心を持ってて
康太は優しい…周りの人にも……。
「貴方が知っている康太くんが本当の康太くんなんだろうね」
『康太は……私の大切な人です』
『先生……私は康太のために何ができるんでしょうか……』
先生に聞いたって分かるはずないのに
私は聞かずにはいられなかった。