満たされない心〜貴方が満たしてくれた〜
この生活をしながらも
勉強ははかどっていた。
大学の試験日
私は大学へ徒歩で向かっていた。
歩きながら頭の中で復習をしていたら
道の凹みに躓き転んでしまった
『っ、いったーい』
最悪、何なの。
よりによって試験日に……
「大丈夫?立てる?」
私はその声をする方に顔をあげると
そこには……陽子さんがいた
「怪我してない?」
『あ、はい』
私は差し出された手を取り立ち上がった
「気をつけてね…それじゃ」
陽子さんはすぐ立ち去ってしまった
けど、私に差し出された手から私の手に渡されたモノをみると
それは合格守。
陽子さん……陽子さんの後ろ姿を見ていると、少し歩いた先に見慣れた車が停まっていた。その車のドアを開けて待っている人……桜田さんだ。
陽子さんは車に乗り込み、桜田さんがドアを閉め、私に一礼をし車に乗り込んだ。
あの日から数ヶ月が経っている
遠目だったけど、桜田さんは少し痩せたように見えた。
私は合格守を握りしめ、試験会場へ向かった。