満たされない心〜貴方が満たしてくれた〜



私の大学生活は忙しかった。

少しでもお金を貯めたくて
自炊をし、お弁当を作り
大学へ行く。

少しでも時間があれば図書館や医療関係の講演会などに足を運んでいた

なるべく、短期間で色々な知識を習得したいから。

夜は必ずバーで働く。
狩野さんは休んでもいいって言ってくれるけど、寝れる保証なんかないし…
一人になるのが怖い……。

康太の事を考えたくないわけじゃない……ただ、思い出すと今すぐ会いに行きたくなるから。
だから、考えないように無理矢理予定をいれていた。


大学生活なんて、他人から見たら
サークル入ったり、コンパしたりって楽しそうなんだろうけど……

私には全く無縁だし興味がない。
そんな時間があるなら図書館へ行く。


「前島さん、俺と付き合って」

そんな告白も何度かされたけど

『私、付き合ってる人いるから』

そう断り続けていた。
だって、
私には康太がいるから……
私には康太が全て。
< 123 / 205 >

この作品をシェア

pagetop