満たされない心〜貴方が満たしてくれた〜
再会
「結衣ちゃん!」
私の目の前には笑顔の小百合さんがいる
『お久しぶりです』
「うんうん、さ、入って」
『お邪魔します』
1度しか来たことないけど
懐かしくて、変わらないテラスが
更に懐かしい……
小百合さんに菓子折りを渡し
『あの……康太は……』
「ん?……あぁ……ついてきて」
そう言って自宅の奥へ向かう
病院との境目に1つのドアがある
「ここ……」
そう言って開けたドアの向こうに
ベッドがある
……康太は……いない
『ここ、使ってたの、もうつかってないけどね……今はね、ピンピンしてる』
そう笑ってる小百合さん。
そっか……意識が戻ったんだ……
良かった……
安心したら、ずっと我慢していた涙が溢れてきた
『あ……いやだな……止まんない……』
「結衣ちゃん……」
小百合さんは私を抱きしめてくれた
康太が生きていてくれることが
こんなにも嬉しい……