満たされない心〜貴方が満たしてくれた〜


「へぇ……東和先生のとこにね…」

私は東和病院に働きたいと話していた
そして、先生から康太に会ってからだと言われたことも……

「康太に会う?」


『いいえ、まだです』

「結衣ちゃん……真面目だね」

『まだ研修医ですから』


「康太には言わないの?」

『康太に言ったら反対されそうで……今はどうかわかりませんが、私の知っている康太は独占欲の塊なんです、患者さんにヤキモチ妬くと思いますよ』

「あはははは……あり得るわ」

『何のために医者になったのか……』
『おれ専属って言い出しそうだし』

小百合さんは大笑いしている。

『だから……康太と会うのも、もう少し後になりますね……今はまだダメです。せめて、研修が終わるまでは会いません』

「東和病院に勤めてから会うって事?」

『……そうなりますね』


「結衣ちゃん、彼氏とかいないの?」

小百合さんの質問に咳き込んでしまう


『さ、小百合さん…私は康太一筋ですよ』

「え?あれから、誰とも?」

『……そうですけど……勉強も忙しかったし……そんな余裕無かったですし』

『最近、思うんですよ……もし、これで康太に新しい女がいて、私は必要ないって言われたらどうしようって……』

「結衣ちゃん……どうするの?」

『……康太のストーカーになります』

私の言葉に爆笑する小百合さんだった。
< 135 / 205 >

この作品をシェア

pagetop