満たされない心〜貴方が満たしてくれた〜
ベッドの下に無造作に置かれたバスローブを手に取り着る。
こうして康太のところに戻れたことが何よりも幸せだ。
康太はカップを持ち戻ってきた
『ありがと……ってコーヒーじゃないし』
「ん?あぁ、こっちの方がいいだろ」
康太がいれてくれたのはホットミルク
……子供扱いしてない?
まあ……いいけど……
「なぁ……働くんだろ?」
『うん……え?ダメ?』
「ん……あの病院、激務だから……」
『だから?』
「結衣といる時間が減る」
年をとっても、康太を可愛く思う
康太の言葉に笑ってしまうけど
『共働きになるわね』
ヤクザと医者なんて笑っちゃう
けど、少しだけ不安はある
私がいつまで働けるか……
康太といる以上、誰かに狙われることだってあるんだから……
「……どうした」
考えていたら康太が私の顔を覗き込んでくる
『うん……いつまで普通に働けるかなって……外で働くことで康太に迷惑かかるようなら、考えなきゃいけないし』
「ん……あの病院は大丈夫だ」
康太の説明だと東和先生はどこの組のヤクザも治療をしてくれる、他の患者さんと同じように……その代わりに医師や看護師には決して手を出さないっていう協定みたいなのが昔からあるという。
えらいところに就職したかもって一瞬思ってしまった。