満たされない心〜貴方が満たしてくれた〜
新しい生活
康太のところへ戻って1ヶ月
康太の言う通り激務だった。
ヤクザの人たち以外にも
救急で受け入れ拒否をされる救急車がほとんど……。
今の時代、抗争なんて少ない
研修医で救急にいたことが、こんなに活かされるとは思ってもみなかった。
そしてもう一つ……
「結衣先生、お願いします」
『桜田さん、これお願い』
「はい」
この病院に桜田という看護師がいた。
桜田麻衣子……
私の親友、大橋麻衣子だった。
私が康太から離れた後
麻衣子なりにいろいろ考えたらしく
医者にはなれないけど
看護師なら……っと麻衣子も1浪して看護学校に通ったと言う。
麻衣子も他の病院の救急でスキルアップして、東和病院に就職した。
ココで働くときに、悪い虫がつかないようにと、なかなか結婚に踏み切らない桜田さんに組長さんが若干脅しをかけ、結婚に至ったという……。
麻衣子が看護師だなんて……考えることは同じなのかと、ちょっと嬉しかった。
「結衣が来てから、ますます忙しくなった気がする……」
少しの休憩に麻衣子は言い出す。
『……そうなんだ……なんか申し訳ない』
「それにしても、よく康太さんが許してくれたよね」
麻衣子は笑っていう。