満たされない心〜貴方が満たしてくれた〜
「お疲れさん……」
『あ……ごめん、起こしちゃった?』
「いや、大丈夫だ」
私を抱きしめならがら言う
『……助けたかった…』
「…うん」
『……どんなに寝たくてもねれないのに…康太に抱きしめまれると眠くなる……』
「…そうか…なら、このまま寝ろ」
『……うん……いつも、ごめ…ん』
こんなふうに眠りにつくことも少なくない。
始めはこれでもいいって思ってたけど、
さすがに1年も続くと、まずい気がしていた
それでも、康太は変わらず優しい。
一度だけ、康太が
「大学病院に、戻るか?」
そう聞いてきた
大学病院にいた方が、今よりは激務じゃないし、なによりも助けられる……
私がお酒を飲むことが少なくなる。
「結衣の身体が心配だ……」
けど、大学病院には戻りたくない
万が一、康太が怪我をしたとき
私は何もしてあげれない……
何のために医者になったのか……
このままじゃダメなのは
自分でもわかっている……
それに、まだ……結婚もしていない
康太は何も言ってこないことに甘えてた
結婚して子供もって考えると
働くことは無理なんじゃないか思うこともあった……