満たされない心〜貴方が満たしてくれた〜
「結衣ちゃん……克服できたの?」
小百合さんの言葉に首を横に振る
『カウンセリング……通おうかと……』
「そうか……何がダメなのかな?」
『必ず…あの男の声がするんです。私を呼ぶ声……必ず康太が助けてくれるんですけど、毎回なので康太に申し訳なくて……』
「それって、突然なるの?」
『いいえ……あの、入れる時に必ず…』
「ん?その前は?」
『……ないです』
身体を触られても、キスされても大丈夫なのに、康太が入ってくると必ずなんだ。
「部分的なのね……」
『康太が気を使って遠慮してくれると、逆に不安になってしまうんです……だから、今まで通りにってお願いしました』
「……なんか、厄介ね……カウンセリングか……どこに通うか決めたの?」
『いいえ、まだ……』
私たちがいるテラスに
料理を運んでくれる翔平さんが口を挟む
「結衣ちゃん、僕の知り合いでよければ紹介しようか?」
「翔平、知り合いなんていたの?」
「え?ほら……晃はあれでもカウンセラーだから」
「ん?あっ……あれ……まあ、わるくないけど、刺激強くない?」
「ははっ……うん、けど、晃はソレ専門だからね」
「そうだった、忘れてたわ」
翔平さんと小百合さんは笑っているが私には全くわからない……