満たされない心〜貴方が満たしてくれた〜


夜、康太に紹介されたカウンセリングの事を話した。


「……それって、男か?」


『ん……そうじゃないかな?翔平さん、晃って言ってたから』


「…………。」


康太のヤキモチが始まった


『大丈夫よ、私は患者なんだから』


「……一対一……個室……」


康太が何か言ってる……
こうなったら、何言っても納得してくれないんだ。
康太の独占欲は半端ない

理解してくれる仕事は患者さんが男であろうと関係ないけど……
メリハリがわかりやすい


『ん……、康太も一緒に行く?』


「行く」


私の提案に納得してくれたけど
本当は一人で行きたかった。

やっぱり、見られたくない。


康太に言わないで行くのは、どう考えても無理だろう。


「結衣、俺は結衣と初めて会った時から、結衣の全てを受け止めると決めたし、結衣の父さんにも約束した、だから結衣が心配する事は何もない…」


なんだかんだ言っても
私の考えてる事はお見通しなんだな…


『さすがですね、若』


「その呼び方はやめろ……」


私の楽しみ……康太いじり。
私に『若』って呼ばれるのが相当嫌みたい……私にそっちの世界にあまり入ってきて欲しくないようだ。
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