満たされない心〜貴方が満たしてくれた〜
次に目を覚ました時には
康太の腕の中にいた
「目が覚めたか?」
『ん……うん…』
「前島さん、目が覚めましたか?体調はどう?ちょっと眠ってもらっただけだから、心配ないと思うけど……」
『少しぼーっとしますが、大丈夫です』
「前島さんが眠って頂いている間、色々お話を聞かせて頂きました」
私はよくわからず、康太の顔を見る
康太は私の手を握る
催眠療法だという。
私は自分の過去を話したという。
康太は全て知っている話だから
問題ないだろうけど、何を話したかわからないのは不安だ。
「また1ヶ月後に来てください」
「婚約者さんとご一緒に……」
私と康太はマンションを後にし
翔平さんに会いに行くことになった。
「……あの医者……ゲイだ」
……はぁ?
何言ってるの?
「俺……タイプなんだとさ」
康太の発言に笑ってしまう。
私は翔平さんの家に着くまで笑っていた