満たされない心〜貴方が満たしてくれた〜
全てを思い出した私は
自分を責めていた……
『私が好きになったから、いけなかったんじゃないかな……好きにならなければ……あの男を苦しめたのは私なんじゃないかな……』
晃先生は私の手を取り優しく握り
「そうじゃないわ……恋する気持ちは悪いことじゃない。結衣さんは気持ちの整理をつけたのに、その気持ちを自分の欲のために利用した彼がいけなかったのよ」
「結衣さんは今まで十分苦しんだの……これからは前を向いて、今の彼とのことを考えて生きていかなきゃ」
「大丈夫よ……これからは結衣さんが幸せになる番よ……」
晃先生が言ってくれると
本当に気持ちが前向きになる
「結衣さん……これ、飲んで」
出されたのはハーブティ
これを飲むときは催眠療法の時
私は迷いなしに飲む
「少しだけ…心を休めましょう…」
その言葉が聞き終わる前に
意識を失った。
私が眠っている間……
晃先生は康太を呼び
今日のカウンセリングについて説明をした……私の過去の気持ち……
「結衣があの男を?」
「えぇ、けどあの事件からはその気持ちを記憶からも消してしまっていたようです……記憶は戻りましたが、その彼に会わせるのはお勧めしません」
「…会わせるつもりはこれっぽっちもない……結衣はこれからどうなるんだ」